最高級のディーゼルオイルとは?規格・粘度から車両に合った選び方を解説

「トラックやディーゼル車には、少し高くても最高級のオイルを入れたい」「でも、どれが本当にいいディーゼルオイルなのかわからない」と悩んでいませんか。ディーゼルエンジンは燃焼の仕組みがガソリンエンジンと異なるため、オイルに求められる性能も違います。また、最高級と呼ばれるオイルでも、車両の排ガス浄化装置や指定規格に合っていなければ、かえってトラブルの原因になることもあります。この記事では、最高級のディーゼルオイルとはどんなオイルなのか、規格・粘度・ベースオイルの見方から、車両に合わせた選び方、業務用でコストを抑える方法まで解説します。

三油化学工業

本コラムは、自動車用オイル・工業用潤滑油の専門メーカーで、当サイトを運営する三油化学工業株式会社が監修。三油化学工業は、創業70年以上にわたり高品質な潤滑油の開発・製造・OEM供給を行っています。

  • ディーゼルオイルがガソリン用のエンジンオイルとどう違うのか
  • 「最高級」と呼べるディーゼルオイルの条件
  • API規格(CK-4など)・JASO規格(DH-2など)の見分け方
  • DPF付き車両や大型トラックなど、車両に合わせたディーゼルオイルの選び方
  • 業務用として最高品質のディーゼルオイルをコストを抑えて使う方法

ディーゼルオイルとは?ガソリン用との違い

ディーゼルオイルとは?ガソリン用との違い

ディーゼルオイルとは、トラックやバス、ディーゼル乗用車、建設機械、農業機械などに搭載されたディーゼルエンジン向けに設計されたエンジンオイルのことです。ディーゼルエンジンは高い圧縮比で燃料を自己着火させる仕組みのため、ガソリンエンジンとは異なる負担がオイルにかかります。まずはディーゼルオイルの役割と、ガソリン用との違いを整理します。

ディーゼルエンジンにオイルが果たす役割

ディーゼルオイルは、金属部品同士の摩擦を減らす潤滑、エンジンの熱を逃がす冷却、すすや汚れを取り込む清浄分散、サビを防ぐ防錆、すき間をふさぐ密封といった役割を担っています。ディーゼルエンジンは低回転で大きな力を出し続けるため、長時間の高負荷運転でも油膜を保ち続けられることが特に重要です。

ガソリンエンジンオイルとの違い

ディーゼルエンジンは燃焼の際にすすが多く発生し、その一部がオイルに混ざり込みます。また、燃料に含まれる成分によって酸性の物質も生じやすくなります。そのためディーゼルオイルには、すすを細かく分散させて溜めない清浄分散性や、酸を中和する性能が強く求められます。規格もガソリン用とは分かれており、API規格ではガソリン用が「S」、ディーゼル用が「C」から始まる分類になっています。

合わないオイルを使ったときのリスク

ディーゼルエンジンに適合しないオイルを使い続けると、次のようなトラブルにつながる可能性があります。

  • すすが溜まってオイルの粘度が上がり、潤滑不良や摩耗が進む
  • スラッジが発生し、オイルの通り道やフィルターが詰まる
  • DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)に灰分が溜まり、詰まりやすくなる
  • 燃費の悪化や出力の低下につながる

こうしたリスクを避けるためにも、車両が指定する規格に合ったディーゼルオイルを選ぶことが基本です。

最高級のディーゼルオイルに求められる条件

最高級のディーゼルオイルに求められる条件

「最高級」という言葉に明確な定義はありませんが、ディーゼルエンジンにかかる負担をよく考えると、高品質なディーゼルオイルに求められる条件は見えてきます。ここでは、最高級と呼べるディーゼルオイルが備えておきたい3つの性能を紹介します。

すすを抱え込む高い清浄分散性

ディーゼルオイルの性能で最も重要なのが、すすを取り込んで細かく分散させる清浄分散性です。すすがオイルの中で固まると粘度が上がり、摩耗やスラッジの原因になります。高品質なディーゼルオイルは、多くのすすを取り込んでもオイルの状態を保ち、エンジン内部をきれいに保つことができます。

長く使っても劣化しにくい酸化安定性

トラックや建機は1日の稼働時間が長く、オイルは高温にさらされ続けます。熱や酸素によってオイルが酸化すると、粘度が変化したり、スラッジが発生したりして性能が落ちてしまいます。化学合成油など酸化安定性の高いベースオイルと、酸化防止剤をバランスよく配合したディーゼルオイルは、長時間の運転でも性能を維持しやすくなります。

排ガス浄化装置(DPF)への配慮

近年のディーゼル車の多くには、排ガス中の粒子状物質を捕集するDPFや、排ガス浄化のための触媒が搭載されています。オイルに含まれる添加剤の一部は燃えると灰分として残り、DPFに溜まっていきます。そのため、新しいディーゼル車向けのオイルには、硫酸灰分などを一定の範囲に抑えた設計が求められます。どれほど性能の高いオイルでも、DPF付き車両に対応していなければ、その車にとって最高級のオイルとは言えません。

規格から最高級のディーゼルオイルを見分ける方法

規格から最高級のディーゼルオイルを見分ける方法

ディーゼルオイルの性能を客観的に判断するには、パッケージに記載された規格を確認するのが確実です。ここではディーゼルオイルを選ぶ際に押さえておきたい規格と粘度の見方を解説します。

API規格(CK-4・FA-4など)の読み方

API規格のディーゼルエンジン用は「C」から始まり、CF・CH-4・CI-4・CJ-4・CK-4のように、後ろの文字や数字が進むほど新しい規格になります。現在の主要な最新規格であるCK-4は、それ以前のCJ-4に比べて、酸化安定性やせん断安定性、すすによる摩耗の抑制などが強化されています。同時期に制定されたFA-4は、省燃費を目的とした低粘度の規格で、使える車両が限られているため、車両メーカーの指定がある場合にのみ使用します。

JASO規格(DH-1・DH-2・DL-1)の違い

JASO規格は、日本のディーゼルエンジンの特性に合わせて定められた規格です。国産のトラックやディーゼル車では、API規格とあわせてJASO規格が指定されることも多くあります。

  • DH-1:DPFなどの排ガス後処理装置を搭載していない大型・中型ディーゼル車向け
  • DH-2:DPFなどの排ガス後処理装置を搭載した大型・中型ディーゼル車向け
  • DL-1:排ガス後処理装置を搭載した乗用車など小型ディーゼル車向け

DPF付きの国産トラックであれば、DH-2が指定されているケースが多いため、取扱説明書で確認しておきましょう。

粘度表記(10W-30・15W-40など)の選び方

ディーゼルオイルの粘度は「10W-30」「15W-40」「5W-30」のように表記されます。前半の数字は低温時の流れやすさ、後半の数字は高温時の粘り強さを示しています。粘度は高ければ良いというものではなく、車両が指定する範囲の中から、地域の気温や使い方に合わせて選ぶのが基本です。寒冷地で使う場合や冬場の始動性を重視する場合は、前半の数字が小さいオイルを選ぶと安心です。

車両に合わせた最高級ディーゼルオイルの選び方

車両に合わせた最高級ディーゼルオイルの選び方

ディーゼルオイルは、車両の年式や排ガス浄化装置の有無によって、選ぶべきものが変わります。「最高級」のオイルとは、すべての車にとって同じ一本ではなく、その車両に最も合ったオイルのことです。ここでは車両のタイプ別に選び方を解説します。

DPF付きの新しいトラック・ディーゼル車

DPFなどの排ガス後処理装置を搭載した新しいトラックやディーゼル車には、JASO DH-2やDL-1、API CK-4など、後処理装置に対応した規格のオイルを選びます。そのうえで、化学合成油をベースにした酸化安定性の高いオイルを選べば、長距離・長時間の運転でも性能を保ちやすくなります。車両メーカーが純正オイルや推奨規格を定めている場合は、まずその指定に従うことが大前提です。

年式の古いディーゼル車・建機・農機

DPFを搭載していない年式の古いディーゼル車や、建設機械、農業機械では、JASO DH-1やAPI CF・CH-4などが指定されていることがあります。新しい規格のオイルの多くは古い規格の性能も満たすように設計されていますが、車両によっては適合しない場合もあるため、取扱説明書の指定規格を確認したうえで選びましょう。古いエンジンでは、オイル漏れやオイルの消費が増えていないかもあわせて点検しておくと安心です。

「最高級」でも避けたい選び方

高品質なディーゼルオイルを選ぶつもりが、かえってトラブルを招いてしまうこともあります。次のような選び方は避けましょう。

  • ガソリン車用のエンジンオイルをディーゼル車に入れる
  • DPF付き車両に、後処理装置に対応していないオイルを使う
  • 「高性能だから」と、指定の範囲を外れた粘度のオイルを入れる
  • 車両の指定がないのに、低粘度のFA-4規格のオイルを使う

迷ったときは、価格やブランドのイメージよりも、車両の指定に合っているかどうかを優先して判断することが大切です。

ディーゼルオイルの交換時期と長持ちさせるコツ

ディーゼルオイルの交換時期と長持ちさせるコツ

どれほど品質の高いディーゼルオイルでも、使い続けるうちに劣化していきます。オイルの性能を十分に発揮させるためには、適切なタイミングで交換することが欠かせません。

交換時期の目安

ディーゼルオイルの交換時期は、車両の種類や使い方によって大きく異なります。乗用車や小型トラックでは走行距離で、建機や農機ではアワーメーターの稼働時間で管理するのが一般的です。具体的な交換時期は車両メーカーの取扱説明書に記載されているため、その指定を基準にし、走行距離・稼働時間と経過期間のいずれか早い方で交換しましょう。なお、ディーゼルオイルはすすを取り込むため早い段階で黒くなります。色だけで交換時期を判断するのは避けてください。

シビアコンディションでは早めの交換を

次のような使い方は、オイルにとって厳しい条件(シビアコンディション)にあたります。

  • 重い荷物を積んだ走行や、坂道の多い道路での走行が多い
  • 短い距離の走行や、アイドリングをくり返す
  • 砂ぼこりの多い現場で使う
  • 1日の稼働時間が長い

シビアコンディションにあたる場合は、取扱説明書に記載された短めの交換時期を目安に、早めに交換することをおすすめします。

オイルフィルターも同時に交換する

オイルフィルターは、オイルに混ざったすすや金属粉などの汚れを取り除く部品です。フィルターが目詰まりしたままでは、新しいオイルを入れてもすぐに汚れてしまい、本来の性能を発揮できません。メーカーの指定に従い、オイル交換とあわせてフィルターも定期的に交換することで、エンジンを長持ちさせることができます。

業務用で最高品質のディーゼルオイルを使うには

運送会社や建設会社、整備工場など、多くのディーゼル車両を扱う事業者にとって、オイルは毎月かかる大きなコストです。品質の高いディーゼルオイルを使いながら、コストを抑えるための方法を紹介します。

ドラム缶・ペール缶でまとめて購入する

ディーゼルオイルは、4L缶のほかに20Lのペール缶や200Lのドラム缶でも流通しています。保有台数が多く交換の頻度が高い事業者であれば、大容量の荷姿でまとめて購入することで、1Lあたりの価格を抑えられます。保管スペースや使い切るまでの期間を考えながら、最適な容量を選びましょう。

自社の車両に合わせたオリジナルオイルをつくる

扱う車両の種類が決まっている事業者や、整備工場・販売店などでは、潤滑油メーカーにOEMを依頼し、自社の車両や顧客に合わせたオリジナルのディーゼルオイルをつくる方法もあります。規格や粘度、ベースオイルを自社の用途に合わせて設計できるため、品質を確保しながら、市販品より流通コストを抑えられる場合もあります。自社ブランドの商品として販売することも可能です。

OilTech Japanの高品質エンジンオイルという選択肢

OilTech Japan(オイルテックジャパン)を運営する三油化学工業株式会社は、1947年の設立以来、自動車用をはじめとする潤滑油を製造してきた日本の潤滑油メーカーです。70年以上にわたり大手商社やメーカーからOEMを任されてきた実績があり、配合・製造・充填までを自社工場で一貫して対応しています。API規格やJASO規格に合わせた特注配合、ラベルや容器のカスタマイズ、4L缶やドラム缶での少ロット製造にも柔軟に対応しています。業務用に高品質なディーゼルオイルを使いたい方や、自社ブランドのディーゼルオイルをつくりたい方は、お気軽にご相談ください。